白神山域の山並み─米代川左岸より遠望

白神山地への入山について

<白神山地>

 白神山地。かつての出羽丘陵と言われていた山域であり、秋田・青森の県境に沿った130,000ヘクタールに及ぶ広大な山域を総称しております。この山域には天狗岳(958m)、向白神岳(1,243m)、白神岳(1,232m)、真瀬岳(988m)、摩須賀岳(1,012m)、二ツ森(1,086m)、青鹿岳(1,000m)、小岳(1,042m)、冷水岳(1,043m)、藤里駒ヶ岳(1,158m)、尾太岳(1,083m)、田代岳(1,178m)といった標高千メートル級のヤブ山が連なっております。
 そして、この山地にひろがるブナ林地帯は、およそ47.000ヘクタール。ブナ林としては、世界でも最大規模だと言われておりますが、かつての東北では八幡平の玉川・田沢、森吉山、鳥海山、栗駒山、月山、朝日連峰、飯豊連峰などには、白神山地をしのぐ良質なブナの天然林が分布されていました。それら山域のブナ林が、ここ半世紀足らずの間に経済林の杉に置き換える拡大造林政策によって伐採されてしまい、取り残されたのが白神山地であったといえます。
 また、この山域を流れる川─赤石川、追良瀬川、粕毛川、大川、暗門川、津梅川、真瀬川、水沢川などは、ブナを主とする広葉樹の原生林が流域であり、水源涵養林として計り知れない恵みを受けていて、そこは1980年代に至るまで、マタギのほか、少数の登山や沢登り、渓流釣りの人々が入山する「秘境」の面影を残した広大な山域でもありました。

 この白神山地が日本中に知られるようになったのは、青秋林道建設工事とその反対運動からでした。農林業の衰退による過疎化に深刻な悩みをもつ八森町や西目屋村が、この山地を横断する林道をつくり、山域に広がるブナ林の伐採など白神山地の資源に望みを託そうと、1982年3月、広域基幹林道・青秋線の建設を計画しました。林道計画は八森町の県境付近まで延びている既設の濁川林道を青森県西目屋村に結ぼうというもので総延長29.6km、当時の総工費は約31億円というものでした。

 林道工事とともに起こった反対運動の波はマスコミ、世論の声も加わり、開発から急転直下、保護政策へと変わりました。林野庁は森林生態系保護地域に設定し、また、環境庁は自然環境保全地域に指定。更には、矢継ぎ早に世界遺産条約への推薦へと一気に加速、白神山地の核心地域10,139ヘクタールと緩衝地域6,832ヘクタール、併せて16.971ヘクタールが、1993年12月、世界自然遺産に登録されました。
 そして、コアゾーンには自然保護団体、登山や沢登り、渓流釣りの人たちは勿論のこと、地元の人々をも締め出す「入山規制」が設定されてしまいました。白神山地の保護運動ではその成果を得ましたが、「入山規制=入山禁止」については、自然保護団体の中でも真の保護のあり方を巡って入山禁止の賛成派と反対派が対立したまま今日に至っております。
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