NPO法人アートリンクうちのあかり
団体名:NPO法人アートリンクうちのあかり(代表理事 安藤 郁子さん)
「アートリンクうちのあかり」の様子 |
秋田市新屋にある地域活動支援センター 「アートリンクうちのあかり」は、障がいのある人たちなどが、絵を描いたり作品を作ったりとそれぞれが自由に表現活動をする場所として、2018年に開設しました。
【アートの持つ力】
「社会や世間の普通と彼ら普通の認識にギャップがあることも多く、それによってしばしば摩擦がおこる。アート制作は、社会の中に居場所がない時の彼らのこころの居場所となり、また社会との接点が生まれる。ここは、ありのままの自分を出せる場所でありたい」と代表の安藤さんは、この場所の役割を話します。表現や作品自体がその人の言葉だったり、何かの表現がその人を知る媒介になったりすることもあります。また自分の表現が他の人から認められたり、制作を通じて人との関係性を築いたりする中で、その人の表現やその人自身がどんどん変わっていくことがあります。うちのあかりでは、支援者や仲間など、様々な人が関わり合うことで、多様な表現が生まれています。
【多様性を認め合う】
障がいのある人の表現を知ってもらう機会として、2015年から「はだしのこころ」展を開催し、アート作品の展示や作り手の思いを伝えています。展示会では、普段なかなか出会えない人たちとの交流の機会にもなり社会との接点ができる反面、彼らが感じ続けている生きづらさを改めて感じることもあります。安藤さんは、「考えの違う人がたくさんいて社会が成り立っているので、まずは、お互いを知り、わかり合いたい。考えの違う人を排除しては社会が成り立たない。対話することで多様性のある社会の実現に向かっていかなくてはならないし、そこに希望がある」と語ります。アートの視点で活動していくことで、障がいの有無にかかわらず、多様な価値観を持った人の存在を認め合える社会を目指しています。またこの場所が、地域の一人暮らしの高齢者や引きこもりなど、生きづらさを抱えた人などが気軽に立ち寄り、絵を見たり、会話をしたりできるような居場所になりたいと地域との関わり方を模索しています。
制作活動の様子 |
NPO法人 アートリンク うちのあかりHP
https://utinoakari.com/
この記事は情報誌「かだれ(令和4年1月号)」からの転載記事です。