NPO法人あきた元気倶楽部

団体名:NPO法人あきた元気倶楽部 会長 川口 雅丈さん

「千秋花火」会場の様子

あきた元気祭実行委員会のみなさん

 あきた元気倶楽部は、花火やそのほか様々なイベントを通じて、秋田市の中心市街地に賑わいの創出や経済の活性化などを目的に2015年8月設立されました。同年9月からは千秋公園とその周辺を会場に、『あきた元気祭り「千秋花火」』を行っています。今年9月10日(土)は、コロナ禍による中止を経て3年ぶりの開催となりました。日中は竿燈や西馬音内盆踊りなどの伝統芸能のステージや縁日などが行われ、この日を待ちわびていた大勢の市民が多彩な催し物と約3,000発の花火を楽しみました。

【みんながワクワクするイベントへ】
 祭りの開催にあたり、同団体では、交通規制などの影響を受ける周辺住民への配慮を欠かさずに丁寧に説明することを心がけています。その中で、いろいろな話をするうちに高齢者から、「『なかいち※』に行ったことがないので、この機会に遊びに行ってみる」と言われたり、「昔、千秋公園で花見の時期に花火が上がっていた」など地域の歴史を教えてもらったりすることもあるそうです。
(※千秋公園周辺の再開発地域。商業施設やにぎわい交流館AU、秋田県立美術館等がある)
 また花火の打ち上げの翌朝から10日間程は、枝などに引っ掛かった打ち上げ花火の破片が後日落ちてくることも想定して会場近隣のクリーンアップを続けています。今回ボランティアには高校生から高齢の方まで40~50名の参加がありました。
同倶楽部の副会長で『あきた元気祭り実行委員長』の中村瑞樹さんは、「最近は町内会の盆踊りが行われていないところもある。昔はそのような場で人と人とのつながりができたり、交流を深めたりしていた。千秋花火が、若者の地域での思い出づくりや高齢者が外出する機会になればよい」と笑顔で話します。

【地域経済の活性化】
「千秋花火」では、地域経済の活性化のために電車やバス、タクシー等、公共交通機関の利用を呼びかけています。また終了後に周辺の飲食店へ立ち寄ることを期待して、花火は19時に終了します。回を重ねるごとに協力企業も増え、駅前のみならず広小路や仲小路等、周辺地域にも人の流れが生まれるなどの波及効果があり、賑わい創出の相乗効果が見られています。

【逆境にも負けない】
 ここ2年間はコロナ禍で沈んだ人々の気持ちを元気にしたいと、一昨年の大晦日には秋田市内の3箇所(手形山浄水場付近、雄物川河川敷、土崎港)で厄除けと希望の光として、除夜の鐘と同数の108発の花火を上げました。また昨年は、秋田市新屋の空港跡地で各自が駐車した車の車内から花火や映画を楽しむ「ドライブイン花火&シアター」を開催し、この取り組みは、コロナ禍の新しい試みとして全国から注目されました。中村さんは、「一人ひとりの力は小さくとも、仲間と力を合わせることで実現不可能に思えたことができた」と自信をのぞかせます。
 7年前に中心市街地を元気にしたいと仲間たちと始めた花火が、地域活性化や人々のつながりの創出、若者から高齢者までが楽しむ地域の祭りとして愛されるイベントになっています。

この記事は県央情報誌(かだれ)令和4年11月号に掲載されたものです。

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