trunk

団体名:trunk (代表 堀内しるしさん)

「性とジェンダーのお話会」の様子

ハーモニープラザに設置した「東京トランスマーチ」特設コーナー

trunkは、既存のメディアでは取り上げられないような、小さな声を発信・共有し、すべての人が生きやすい環境を目指して2021年5月から秋田市を中心に活動をしています。メンバーは会社員や学生、美術作家など、20~30代の6名です。ジェンダーに関して、それぞれに活動をしていた人が集まり、互いに協力しながら個性を活かした活動を行っています。

【行動を起こす】
これまでの活動には、普段感じているモヤモヤや違和感などを投函してもらう「意見箱(あなたの本音を教えてください)の設置」、ハラスメントやジェンダーギャップなどをテーマにした「性とジェンダーのお話会」、「ネットラジオの配信」などがあります。昨年は、当団体の活動や、自殺対策に取り組む団体・女性の政治家など県内の様々な課題について思いを持って活動をしている人へのインタビューを冊子にまとめました。冊子で情報発信をした理由の一つに、「県内で行われている様々な活動を知ることで、自分も少しだけ頑張れば行動できるかもしれない。行動したいという気持ちを持つだけでも意味があることをみんなに伝えたい」いう思いがありました。
代表の堀内さんは、「地方には女性差別、待遇格差や賃金格差などがあります。例えば、会社で女性だけがトイレ掃除やお茶くみをやっているところもあります。また秋田美人という言葉でコミュニケーションを図られることに嫌な思いをしている人もいます。そのような会話は、冗談や面白いこととして扱われますが、それもハラスメントなので、笑ってやり過ごす必要はないのです。自分が我慢をすれば良いと思ってしまいますが、それがみんなの生きづらさにつながるのではないでしょうか」と指摘します。

【お互いを認め合う】
「政治の世界は男性の方が向いているなど、まだまだ古い価値観は根強いです。男性はこういう性質がある、女性はこういうのが向いているなどは押し付けや抑圧になるので、性別でこうあるべきという考えは払拭した方がいい。県内の議会に女性は少ないですが、子育てや介護について政策を考える場に当事者である女性がもっと参加できる環境が整ってほしい」と堀内さんは述べます。
一方、活動を共にしている堀内さんのパートナーは、「女性差別で声を上げるのは女性ですが、男性の問題でもあることを男性にも分かってもらいたい。男性にも負担やつらさもあると思うので、お互いのつらさを認め合うようにしたい」と双方の理解が必要だと言います。

【小さな声は、社会の課題】
お話会などに参加した人たちは、差別を受けた経験や生きづらさを感じていることを話したり、共有したりすることで、つながりや安心感、自信が生まれています。堀内さんは、「“自分だけが思っている”と考えていることは、実はみんなが思っていたり、個人の能力や境遇の問題ではなく、すでに社会の問題だったりします」とジェンダーに関して気軽に話ができる場や声を上げる意義を感じ、同団体では、今後も様々な声を集めていきたいと考えています。


県央情報誌(かだれ)令和5年3月号に掲載されたものです。

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