NPO法人秋田バリアフリーネットワーク

団体名:NPO法人秋田バリアフリーネットワーク (理事長 菅原香織さん)

防災ピクトサインの最終現場検証の様子

公共施設のバリアフリー調査の様子

秋田バリアフリーネットワークは、日本一高齢化が進む秋田県にこそ、バリアフリーのまちづくりを進め、年齢や障がいの有無に関わらず、生き生きとした暮らしを楽しめる社会を目指しています。平成8年にバリアフリー研究会を立ち上げ、平成11年にNPO法人化しました。メンバーには、大学教員や建築関係者、障がいのある方、医師など、様々な背景を持った人がおり、行政や企業・学生らと連携しながらバリアフリーのまちづくりを進めています。

【みんなが暮らしやすいように】
これまでの活動には、道路や公共施設・観光施設等のバリアフリー調査、病院の案内掲示(サイン)のデザイン制作、研修会の開催、バリアフリー対応マナー研修の講師派遣などがあります。各施設等の調査は、自主的に行うほか、依頼を受けて行う場合もあります。調査では障がいのある方にも検証してもらいながら、使いやすさなどを確認し、結果を提言書として施設管理者等に渡します。指摘した内容は、順次改善されているところもあるそうです。

【避難所防災ピクトサインの制作・普及について】
昨年度からは、秋田市地域づくり交付金の助成を受けて秋田市の指定避難所の防災ピクトサインの制作を行っています。ピクトサインとは注意や案内、情報や誘導などを単純化された絵や図形などで示し、情報伝達の助けとするものです。
指定避難所の開設・運営は、時間がない中でのスピーディーな対応が求められます。また避難所のルールやマナーを持続させることが共有空間の安心安全につながるため、情報伝達にはサインが重要になります。ピクトサインのデザインを担当した理事の森川恒さんは、「ピクトサインは、子どもでも外国人でも一目で直感的にわかりやすいものです。それぞれの地域に合わせた細かいニーズにも対応できるので、防災訓練を重ねながら足りないものを追加して活用してほしい」と話します。
大住地区コミュニティセンターで行った防災ピクトサインを使った現場検証では、地域の方から「運営を手伝ってくれるボランティア募集」のサインがほしいとの要望があり、追加作成しました。今後は『防災ピクトサイン』を各地域に広めるための「展示・相談会※」も予定しています。

【バリアは常に生まれ続ける】
菅原理事長は、「行政で対応できる範囲には限界があるので、その範囲外の部分で当団体が持っているつながりや知恵、経験などを活かしたいと思っています。またコロナ禍のように社会が変化したり年齢を重ねたりすることに伴い、新たなバリアが生まれます。それらにどのように対応できるかを走りながら考え、できることを続けていきたい」と言います。法人は今年設立25周年を迎えますが、一緒に施設のバリアフリー調査をする若者を募るなど、先を見据えた次世代の育成にも力を入れています。

NPO法人秋田バリアフリーネットワーク
http://www.akita-bf-town.net/
電話・FAX:018-853-7475

県央情報誌(かだれ)令和5年7月号掲載記事の転載です。

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