NPO法人いきいきFネット秋田

団体名:NPO法人いきいきFネット秋田(理事長 佐藤 加代子さん)

「全国女性会館協議会第65回全国大会in秋田」の様子

アトリオン6階にある中央男女共同参画センター

この法人は、すべての人々に対して、その個性と能力を十分に発揮することができる男女共同参画社会の実現を目的に2007年10月設立されました。2009年4月から秋田県中央男女共同参画センターの指定管理者として、地域の女性リーダー育成や男女共同参画社会づくり基礎講座、ジェンダー平等に関する啓発などを行い、一人ひとりが持っている能力を活かしながら、互いに支え合い、いきいきと暮らせる秋田を目指して活動しています。

『社会に出て感じたこと』
 今から約50年前、女性の生き方は結婚が一般的で、結婚をしない人はどのように食べていくのかというロールモデルはほとんどありませんでした。その頃、学校を卒業し、社会に出た理事長の佐藤さんは、女性における不平等を感じていました。当時参加していた勉強会でジェンダー という言葉に出会い、自分が感じている違和感の理由に気づきました。その後、女性の本音や違和感などを発信するミニコミ誌を作るなど、ジェンダーに関する様々な活動に取り組みました。また1946年に女性が初めて参政権を得た衆議院議員選挙で秋田市出身の和崎ハルが当選するなど、秋田でも昔から女性の活躍があったことを知りワクワクしたそうです。

『社会の変化』
 近年メディアでは、洗濯洗剤の宣伝に男性の起用や家事メン(家事を積極的に行う男性)という言葉が生まれています。県内でも男女共同参画センターに子どもを連れて遊びに来る『育児パパ』が大幅に増えたり、スーパーで夫婦一緒に買い物をする姿をよく見かけたりと、これまで女性に任せきりにしていた家庭内のことを一緒に行なっている状況に佐藤さんは社会の変化を感じています。
 昨年12月発行の「あきたの男女共同参画年次報告」によると「男は仕事、女は家庭」という意識への反対意見の割合は、64.3%と6割を超えています。佐藤さんは、「『男は(または女は)こうあらねばならない』と環境や社会から植え付けられたアンコンシャス・バイアス(無意識の偏見)があるので、理解していても意識を変えることは容易ではない。でも少しずつ、進歩している」と言います。その上で、「今の日本の社会では、女性が仕事と家庭を両立することの難しさを感じているため男女平等に対して女性自身にためらいがあるような気がしてならない。変えようとする主体である女性が中心にいないと社会は変わらない」と女性が声を上げることの必要性を強調します。

『エンパワーメント(一人ひとりの能力を顕在化させる)』
ジェンダー平等ではない時代背景には、男女の賃金格差やDVなどの問題があります。「そのような状況により女性の自尊心が低くなると世の中はそういうものだと諦めてしまいます。ジェンダーの基本として、人の能力は男女で違いはない。性別による役割ではなく、個人が本来持っている能力を引き出して、活かすことが大事です」と佐藤さんは説きます。
「一人ひとりの意識が社会を創る。意識が変わることで社会を変えていける。互いに認め合い、誰もが暮らしやすい社会を創るためにジェンダー平等を目指したい」と同法人では、様々な選択肢があり、誰もが自分らしく主体的に生きられるような社会であるために声を上げ続けていきます。

※この記事は「県央情報誌(かだれ)令和5年3月号」からの転載です

 

 

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