あきたきょうだいネットワーク
団体名:あきたきょうだいネットワーク (徳原美紀さん、樋下夏海さん、若狭利伸さん)
こどもたちが楽しめる遊びを |
当日のプログラム内容を可愛らしいイラストで飾っています |
『きょうだい』とは、病気や障がいのある兄弟姉妹がいる人をいいます。あきたきょうだいネットワークは「Shibling Hygge」「eSocial Cue㈱」「秋田大学SSA」の3団体で構成されており、当事者としてきょうだいの支援に取り組んでいるメンバーが中心になって、それぞれの知見や経験を活かしながら情報や人をつなぎ、きょうだいが自分らしく過ごせる居場所づくりを行っています。
【がまんしなくてもよいことを伝えたい】
運営メンバーの徳原さんは、秋田大学在学中に障がい児とその家族の支援をしているNPO法人で託児ボランティアをした時に、自分のような境遇にある人が「きょうだい」と呼ばれていること、自分もサポートを受けられる対象であることを知りました。その後、きょうだい支援の研修を受講したことで、我慢しなくてはいけないと押し込めていた悲しみや苦しみなどの負の感情を、それはそれでいいと受け止められるようになったといいます。そして、さまざまな思いを抱えているきょうだいの支援をするサークル(SSA)を立ち上げました。徳原さんの卒業後も思いは受け継がれ、SSAは現在4代目の代表のもと、こどもたちの理解者・遊び相手として活動を続けています。
【遊びを通して自分の意思で選ぶ体験をしいてほしい】
『きょうだいのじかん』と題したイベントでは、きょうだいが親と一緒に遊んだり、自分がやりたいことを選んだりすることで、こどもらしく主体的に意思を示せる機会をつくっています。きょうだいは、遠慮したり、本当の気持ちを隠して親や障がいのある兄弟姉妹にとってよい方を選んだりするところがあるとメンバーらはいいます。「自分を中心に考える経験を積むことで、大人になったときに周りの人に合わせてしまうのではなく、自分の思いを伝えられる人になって自分らしく生きてほしい」とこの取り組みの意義を説明します。
【こどもらしく過ごせる社会に】
きょうだい支援について社会の認知も少しずつ広がりつつあります。一方で、「自分の兄弟姉妹の障がいについて知りたいことにきちんと答えてくれるところやきょうだいが楽しんだり、安心して過ごせたりする居場所が増えてほしい」と徳原さんは期待しています。また、さまざまな団体と一緒に活動することで、きょうだいや障がいのあるなしにかかわらず、こどもが親と一緒に過ごしたり、こどもらしく自由に遊んだりすることが当たり前の社会になってほしいとメンバーらは期待しています。
県央情報誌(かだれ)令和6年7月号からの転載です。